企業紹介

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わたしは、教室で死にます。

本日は、ポンタ先生のインタビューをご紹介いたします。

いつもお世話になっております。(中田)
お忙しい中、この度はインタビューをお受けくださり、誠にありがとうございます。まずは、本田先生の自己紹介からお願いします。

ポンタとよばれています。社会人は34年目。学校を出て出版社で編集と営業をやって、その後34歳で独立して、23年専門学校や大学で授業や講演をしています。

 

テーマはキャリアデザイン。海外ではキャリアディベロップメントと言った方が通じやすいかな。

日本中の学校300校ほどで講演し、年に数回アメリカシリコンバレーやフィリピンやベトナムなど東南アジアでのスタディツアーも実施しています。卒業生は就職した人だけではなく、起業した人、画家・役者・アイドルになった仲間もいます。もちろん国内だけではなく海外でもね。


シリコンバレーとは

2018年のシリコンバレー研修では、大変お世話になりました。シリコンバレーについて少し、伺わせていただけますか?

IT企業の一大拠点

実は田舎町です。私はまずそれに驚きました。Google本社のビルは2階建て、Appleの新社屋ですら、どうやら5階建て。しかも半分ほど地中に埋まっているデザイン。

朝方ホテルの軒先をリスが歩き回り、夜になるとアライグマがのそのそ歩いてる。とてもかわいいけど実は野生で獰猛。あまり近寄らないほうがいいらしい。


ではなぜチャレンジングな企業や人が世界から集い、全米の41%もの投資額(2011年)がこの狭い田舎町に集中するのでしょう。実は残念ながら僕にはその答えが見つかりません。


● シリコンバレーミニ知識

シリコンバレー (Silicon Valley) は、アメリカ合衆国カリフォルニア州北部のサンフランシスコ・ベイエリアの南部に位置しているサンタクララバレーおよびその周辺地域の名称。この地域からはアップル、インテル、ナショナル・セミコンダクター、Google、Facebook、Yahoo、アドビシステムズ、シスコシステムズなどに代表されるソフトウェアやインターネット関連企業が多数生まれ、IT企業の一大拠点となっている。(Wiki抜粋)


SVJUとは

そこで私は現在関わっているSVJU(シリコンバレージャパンユニバーシティ)の設立準備をしながら、その謎にアプローチしています。

そしてその立証ができれば、ひょっとすると日本でもあるいは東南アジアでも新しい拠点ができて、世界的に開発競争をしながらより素晴らしい社会を作れるのではないかとワクワクしています。


日本人学生が少ない理由

ちなみに現在SVJUはアメリカ連邦政府から非課税教育法人としての認証を受け、大学として出発できる準備段階です。

そして春と夏には学生と一緒にスタディツアーを実施しています。清風情報工科学院の仲間もやってきますね。

でもなぜこれだけ面白くてエキサイティングな町に日本人学生が少ないのでしょう?本当に出会わないのです。

それは「英語の壁」でしょうか。「外国人への劣等感」でしょうか。「コミュニケーション能力がないから」でしょうか。


英語の壁の乗り越え方

私は23年間キャリアデザインの専門家です。その視点からいえばコミュニケーション能力のない人は一人もいませんでした。

外国人への劣等感はただ「友達にいなかっただけ」でしょう。そして「英語の壁」はこれを読む人にも多いかも。

よくある「文系?理系?」という質問にも「英語は苦手だから理系」とか「情報工学に興味があるので理系」という返事がありますね。

でもね「コーディングやゲームクリエイトは得意だけど、英語が聞けない・話せない」というレベルだとグローバル社会ではかなり厳しくなる。企業の基幹ソフトも世界仕様、ゲームも世界標準で作られる。

つまり日本人以外(例えばフィリピン人は小学生から英語を学ぶ)のエンジニアは、英語でAdobeの新しいマニュアルを読んで、それに基づいてコードを書いてゆきます。つまりこれから大切なのは英語ができるエンジニアなのです。


経験を重ねることで英語の比率を上げる

ではSVJUではどうするか。

スタディツアーも大学も同じく日本語で授業をスタートします。だって「英語の壁」は簡単に崩れないもの。そして徐々に英語環境で「英語で伝えないと伝わらない、食べ物さえ手に入らない」という体験を重ね、授業でも英語の比率を上げてゆきます。


ボチボチがペラペラを作る。

「チクショー、英語わかりたいぞ!」という状態になり、気づけば「腹減ったー」が”I’m hungry!”になり、「英語でプレゼンテーションするので聞いてもらえませんか?」がWould you listen to my presentation and give me some comments?”になっていくのです。

ボチボチがペラペラを作るのです。


停滞する日本の国際情勢

世界から見た日本は、今どのような状況にあると思われますか?

例えば皆さんはSNSといえばLINEですか?Facebookですか?今この原稿はスマホで観ていますか?PCですか?

使えない奴

もしあなたがSNSではLINEだけを使い、Facebookはアカウントさえ持ってなくて、スマホは触るけれど、PCはキーボードを見ないでブラインドタッチで文章を打つことができないとすれば、相当遅れた高校生ということになります。

実はこれ、大学生や専門学校生でも同じく問題になっています。なぜか。社会から「使えない奴」ということになってしまうからです。

社会、つまりビジネスでは知らない人とコンタクトを取り、電話やメールで連絡や交渉を重ね、PCをベースにした社内情報システムで情報共有をおこないます。そこにLINEの入る余地はありません。スマホは使いますがサブツール。メインはPCです。これは世界を舞台に活動してゆく皆さんの時代には、ますます加速すると考えています。


消える日本製品

MADE IN JAPAN、今はまだ欧米でも東南アジアでも高評価です。実際世界のどこに行っても日本車は多く走っています。

しかしアメリカでもフィリピンでもベトナムなどの大型電器店のテレビのコーナーは韓国勢が独占状態、スマホ売り場には日本製はありません。大きな店舗を回りましたが日本製を見つけることが難しくなってきています。


AIはあなたを不要にする

「フツーでいいんじゃない・ちゃんとしなきゃ・お利口さんでないと」というのはもはや世界でも日本でも通じません。皆と同じということは、AIの時代にあなたを不要にするということです。

皆と同じことならAIがディープラーニングでやってくれるからです。ではどうしたらいいかな?それを考えられる人、考え続けて実行してゆく人こそが、実はこれから求められる人なのです。


自分を育てるのは自分

一般的に、「いい会社に入って、いい仕事に就きなさい」と言いますが、それはどう思われますか。

4月を迎えて、今年も多くの卒業生が社会人になりました。ところが4/1に入社式があって4/3に退職した人がいました。アルバイトではなく、たった2日間の正社員。有名大学から有名企業に就職したはずなのですが。他方、卒業して20年以上、その会社で楽しく仕事をしている仲間もいます。

つまり「いい会社・いい仕事」の手前に「自分を知り、伸ばしてゆく」ことが大事な時代に入っています。高校を卒業すると、自分を育てるのは、誰かではなく自分なのです。


パイロットさえも不要になる時代

いい会社いい仕事も変化してゆきます。自動運転が進めば、自動車だけではなく飛行機もパイロットさんは要らなくなるのではないでしょうか。

でももしその時に自分をしっかり育て伸ばしてきたパイロットであれば、自分にあった別の仕事に移っているでしょうね。


これまでの人生の中で、忘れられないエピソードをお聞かせください。

老若男女皆学生

忘れられないエピソードはたくさんあります。私は60歳に近づいているのに相変わらず感動癖があって、毎年授業や講演で学生と一緒に泣き笑いをしています。その中でも去年忘れられない思い出があります。それは「老若男女皆学生」ということかな。

この写真を見ていただけるとわかりますが、年齢や男女の区分がありませんね。SVJUのスタディツアーの主催者と参加者です。

清風情報工科学院の学生も大学生も経営者も大手企業の幹部も、あ、ここで出会った大阪弁丸出しのインド人も!つまり国籍ですら区分する必要がない。そして皆一緒に学び、調べ、議論して、自分達のチームを作っていく。

それを主催者や講師としてきてくれた人達がそこからまな学ぶ、議論を深める。その先に何があると思いますか?それはこの写真に写っています。


一週間で築く人間関係

「清々しい笑顔と人間関係」です。たった1週間ですよ!

それまで全然知らない人ばかりなのですよ!中には初対面が苦手な人やオタクでずっと一人だった人がいるのに。私はこの事実にいつも驚かされます。

本当にこの現場にいると、学生という素晴らしい宝物の変化に感激しています。そして若い学生の未来に思いを馳せる時、日本にいるのだろうか、海外で活躍するのかなーなどと妄想は果てしなく続きます。これ、貴方のことですよ。


ポンタ先生の、これからのビジョンをお聞かせください。

私は教室で死にます。

これを書くとびっくりするかもしれませんが、「私は教室で死にます」というのが私のビジョンです。アハハ

私は今大好きな学校で大好きな学生と大好きな授業や講演をしています。つまり天職を見つけたのですね。だから死ぬまでずっと働いていたい。学生に戻りたいとも、出版社の編集職に戻りたいとも思いません。

大好きな仲間と一緒に仕事をして、お金までもらうのですよ?いえ、それ以上に感動までもらうのですよ。引退なんてとんでもない!だから私は教室で死にます。学生にははなはだ迷惑だなー。ゴメンネ。
素晴らしいですね!でもわたしは、お花畑で死にたいです(笑)


社会へ向かう若者たちへ、メッセージをお願いします。

「この世をおもしろく」はあなた次第。

「おもしろきこともなき世をおもしろく」この句を知っていますか?江戸時代末期に活躍した長州藩士の高杉晋作さんが亡くなる直前に書いた句だそうです。

私はこの句が大好きです。だって意訳すると「世の中はほんまにおもしろないぞ。なんでこんなにくだらん世の中になったんや。」と前半に書いてあるわけです。つまり幕末という時代、彼にとっては面白くなかったみたいです。

なのに後半「おもしろく」ですよ!これはすごい展開。「世の中チョーオモシロクネー、ツマラナイ、クダラナイ、イミガワカラン、アホラシイ。だからおもしろくするよ、僕はね」ってことです。

これは君の時代には言えることですか?君の環境ではどうですか?面白い世の中ですか?それとも面白くない世の中ですか?そんなことはどうでもいいことに気づきましたか?

「おもしろく」するのは君なのだから。

さて僕はぼちぼち教室に向かいます。

そうです。大好きな学生と大好きな授業をするために。アハハ♡


■ ■ たくさんの感動をいただきました。本日は、誠にありがとうございました。■ ■


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